CASE 05 | SaaS 置き換え
以前は年額制の顧客管理 SaaS を使っていましたが、使っていたのは配信機能だけでした。 その配信を、Mac mini 1台と自社の Google Workspace で回す仕組みが「Koibumi(鯉文)」です。 名前は「鯉のぼりからの便り(文)」です。
要点:Koibumi(鯉文)は、交流会の参加者や名刺交換した方などへのお礼・ご案内メールを送る、株式会社Koinobori が自社で作ったメール配信の仕組みです。 年額制の顧客管理 SaaS(使っていたのは配信機能だけ)から置き換え、顧客データを自社の1か所にまとめて、お会いした方それぞれに合ったメールを送っています。 約200名規模の配信を Mac mini 1台で動かし、第三者の配信サービスを通さず、自社のメールアカウントから送ります。 2026年5月に作り始め、2026年9月から事務の担当者が単独で本番配信しており、承認フローは置かず、送信前の5つの関所と自動報告で誤送信を防ぐ設計です。
WHY — なぜ作ったか
REASON 01
それまでは年額制の顧客管理 SaaS を使っていました。ただ、実際に使っていたのは配信機能だけでした。
REASON 02
交流会の参加者リスト、名刺、手入力。入口の違う連絡先を、自社の会員データベースにまとめています。
REASON 03
参加回数など、お会いした方それぞれに合った文面で、お礼やご案内を送ることが目的です。
ARCHITECTURE — 構成
入口は3つ。連絡先は Mac mini の中の会員データベースに集まり、送信前の関所を通ったものだけが、自社の Google Workspace のアドレスから送られます。
入口(3つ)
① 交流会の参加者リスト
Google スプレッドシートを、Google Sheets API で毎晩自動同期します。
② 名刺の取り込み
名刺の CSV を取り込みます。
③ 手入力
画面から手で入力します。
どの入口でも、「入手経路」(交流会・名刺交換・取引先など)を記録しないと、連絡先を登録できません。
Mac mini(自社内に設置)
会員データベース
SQLite
送信の判断
送信前の5つの関所
社内向けの Web 画面
Flask
Mac mini は、外からの接続を直接は受けません。
送信
Gmail API
自社の Google Workspace のアドレスから送ります。付与している権限は「送信」だけです。
お礼・ご案内メール
交流会の参加者や、名刺交換した方などへ届きます。
第三者の配信サービスは通りません。
Mac mini まわりの、ほかの2つの経路
担当者は社外からでも画面を開けます。届くのは、Cloudflare の認証を通った通信だけです。
担当者
社外からでも、画面を開けます
Cloudflare Access
社内のメールアドレスに届くワンタイムコードで認証
Cloudflare Tunnel
認証を通った通信だけが届く
Mac mini の Web 画面
外からの接続は、直接は受けません
送信の結果は、社内チャット(Slack)に自動で報告されます。
Mac mini
送信の結果
Slack(社内チャット)
自動で報告されます
使っている技術
5 CHECKPOINTS — 送信前の関所
本番配信は、次の5つの関所を通ります。担当者の注意力だけに頼らず、仕組みで止める作りです。
参加回数の区分ごとの見本を、最大5通まで自分宛てに送って確認します。テスト送信を済ませるまで、本番には進めません。
テストの後に文面や設定を変えると、内容の「指紋」の違いで変更を検知し、もう一度テストが必要になります。
本番の前に、宛先の人数を手で入力します。実際の人数と一致しないと、送れません。
途中で止めても続きから再開でき、同じ配信で同じ方に二重に届きません。
送る直前に参加者リストを読み直し、出席の印がある方だけに送ります。リストが読めなければ宛先は0名、つまり送りません。
承認フローは置いていません。 誤送信は、この5つの関所と、送信結果の Slack への自動報告という仕組みで防ぐ設計です。
LEGAL NOTICES — 法令表示
特定電子メール法を意識して、次の3つを、担当者の注意ではなく作りで担保しています。
どの入口から登録するときも、入手経路(交流会・名刺交換・取引先など)を記録しないと、連絡先を登録できません。
宛名、署名(送信者)、配信停止の案内は、定型文の外で必ず付きます。担当者が画面から文面を直しても、消せません。
配信停止した方は、名簿を取り込み直しても解除されません。
WHERE NOT TO USE AI — AI を使わない判断
最初は、お礼メールの一言をローカル AI に書かせていました。ところが敬語の崩れが出たため、参加回数に応じた固定文に切り替えました。固定文は、担当者が画面から直せます。
お礼の一言 ローカル AI に書かせる → 参加回数に応じた固定文
AI を入れる場所と入れない場所を分けるのも、設計のうちだと考えています。
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※ 本ページは、当社が自社の業務のために作った仕組みの事例紹介です。
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