株式会社Koinobori
HANDS-ON / 執筆:杉﨑(代表取締役)

自動デプロイが止まった日、最後は自分の PC から公開した — 中小企業 × AI 経営(2026年6月)

コラムを公開しようとしたら自動デプロイ(海外のCI)がサーバに繋がらず連続失敗。原因を切り分け、国内の自分のPCから手動で公開して突破した実録。自動化に頼りつつ"最後は自分で出せる"冗長性を残す、社員数名の会社の運用判断。

タグ: #デプロイ #運用 #自動化 #事業継続 #中小企業 #2026

はじめに:この記事の前提

Koinobori 代表取締役の杉﨑です。 社員数名の会社を経営しながら、このコーポレートサイトも自分の手で作り、AI を相棒に毎日更新しています。

今回は、ついさっき起きたばかりの話です。書き上げたコラムを公開しようとしたら、自動デプロイが何度やっても失敗した。最終的に「自分の PC から手で公開する」ことで乗り切ったのですが、そこには中小企業の運用にとって大事な教訓がありました。技術の話というより、「自動化に頼りつつ、止まったときどうするか」という経営の話として読んでいただければ嬉しいです。

1. 課題:「公開」ボタンが、何度やっても通らない

このサイトは、原稿を保存すると自動で本番に反映される仕組みにしています。普段は数十秒で公開完了。便利で、もう手作業には戻れません。

ところがこの日、その自動公開が繰り返し失敗しました。記録を見ると、海外で動く自動化の仕組みから、契約しているサーバーへ接続そのものが断続的に届いていない。しかも厄介なことに、成功する時もあれば失敗する時もある。完全に壊れていれば諦めもつきますが、「たまに通る」のが一番たちが悪い。

書き上げた原稿が、目の前にあるのに公開できない。経営者として地味に焦る瞬間です。

2. 取り組み:原因を切り分け、別の経路で出す

2-1. 「どこが切れているか」を切り分ける

まずやったのは、犯人探しではなく切り分けです。

ここで状況がはっきりしました。原稿にもサーバー本体にも問題はなく、「特定の経路だけが、断続的に詰まっている」。だったら、通る経路から出せばいい

2-2. 自分の PC から、手動で公開する

幸い、自動でやっていたことと同じ手順を自分の PC からも実行できるようにしてありました。そこで手元から直接、本番へ反映。数十秒で、コラムは無事に公開されました。

自動化が止まっても、人間が同じことを手でできる状態を残しておく——これに救われた瞬間でした。

3. 「自動」と「手動」は、どちらかではなく両方持つ

観点自動デプロイ手動デプロイ(自分の PC)
平常時の手間ほぼゼロ(最高)毎回コマンドが要る
速度速い速い
止まった時手も足も出ないいつでも出せる
向いている役割普段の主役いざという時の保険

大事なのは、どちらか一方を選ぶことではないと気づきました。普段は楽な自動に任せ、止まったら手動に切り替える。この「二重の経路」こそが、小さな会社の事業を止めないコツでした。

4. 失敗と学び:便利な道具ほど、安全装置を外さない

ただし、手動での公開には怖さもあります。

本番へ反映する作業には、「元に無いものは、向こうからも消す」という同期の設定が含まれます。速くて確実な反面、行き先(出力先)を間違えると、一瞬で大量に消してしまう

実は私たちは以前、設定の取り違えでサーバー上の複数のサイトをまとめて消しかねない事態に肝を冷やしたことがあります。その教訓から、今は手で実行する前に必ず——

を挟むようにしています。今回もこの手順を踏んだので、消えたものはゼロ、追加されたのは新しい記事だけ。便利な道具ほど、安全装置を省略しない。事故は、たいてい「急いでいて確認を飛ばした時」に起きます。

5. 経営判断としての結論:自動化の隣に「自分で出せる」を残す

自動化や AI は、中小企業にとって本当にありがたい存在です。人を増やさずに、大企業並みの仕組みを持てる。けれど今回はっきりしたのは、外部の仕組みは、自分ではコントロールできない理由で止まることがあるということでした。

だからこそ、私は「最後は自分の手で出せる」状態を手放さないことにしています。

自動化は主役でいい。でも、自動化が倒れた時に立てる代役を、必ず一人(=自分)残しておく

専任のインフラ担当を雇えない中小企業にとって、これは弱みのようでいて、実は強みです。経営者自身が最後の砦になれる。手を動かせる経営者は、止まらない。

まとめ:3 つのテイクアウェイ

  1. トラブルは犯人探しより「切り分け」 — どこが切れているかが分かれば、通る経路から出せる
  2. 自動と手動は両方持つ — 自動を主役に、手動を「いざという時の保険」として残す
  3. 便利な道具ほど安全装置を外さない — 出力先の確認と「何が消えるか」の事前確認を、急いでいる時こそ省略しない

読者への問い: あなたの会社で「これが止まったら、業務全体が止まる」仕組みはありませんか? それは、**自動が倒れた時の”手動の代役”**が用意できているでしょうか。

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執筆:Koinobori 株式会社 代表取締役 杉﨑

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